菊作り用語集

少しずつですが、用語集を充実させていきますのでお役立てください。

【あ行】

【厚走り】[あつばしり]

厚物に走り弁がある品種。

 

 

 

 

【厚物】[あつもの]

花弁が花芯に向かって盛り上がり、花の高さが15cm以上、花の直径が20cm以上にもなる大菊の品種。

 

 

 

【インバイト】

大菊三本立ての支柱を固定するための用具。

 

 

 

 

【大菊】[おおぎく]

花の直径が10cmほどになる菊で、一輪だけを残し栽培することで花の直径が20cmを超える。花弁の形状により、厚物、厚走り、管物、広物、大つかみといった品種があり、古くより観賞用に栽培されてきた菊で、観賞用の仕立て方として、三本仕立て、福助作り、だるま作り、盆栽、切り花などがある。

写真は三本仕立て 国華由季

 

 

 

 

【大掴み】[おおつかみ]

両手の指を交互に握るように何かを掴むような形の花をつけ、外側には長く垂れ下がる走り弁を持つ大菊の品種。

 

 

 

 

 

【鬼蕾】[おにつぼみ]

柳蕾のこと。柳蕾は栽培の仕方により開花させることができるため、柳蕾の中でも開花させられない固い蕾のことを示して鬼蕾という場合がある。

 

【か行】

【管物】[くだもの]

花弁が管状の大菊で、管の太さにより、太管、間管、細管の品種がある。

 

 

 

 

【苦土石灰】[くどせっかい]

ドロマイトから作られる石灰肥料。アルカリ性でマグネシウムを多く含む肥料です。

 

【さ行】

【挿し芽】[さしめ]

大菊の挿し芽は4月に新芽を5cm~10cmぐらいのところで切り取り株分けを行うこと。短幹は4月10日頃、中長幹は4月25~30日に挿します。

 

 

 

【シェード】

菊が蕾をつける時期に覆いをして日照時間を短くすることで蕾をつけさせたり開花時期を早めるための栽培技法のひとつをシェードという。シェードにより期待できる効果には、柳蕾を正常な蕾にする。開花時の花弁の数を減らすなどの目的で行う場合もある。

 

【地際】[じぎわ]

菊の幹と土が接するところ。一般には樹木などが地面と接する部分。

 

【芯蕾】[しんつぼみ]

一番最初にできる中心となる蕾のこと。

【水耕栽培】[すいこうさいばい]

水耕栽培は、ヒヤシンスやクロッカスの水栽培のように土を使わず水の中で根を出させるものと、鉢植えから紐を水の中にたらし、毛細血管現象により水を吸い上げるものがあるが、菊作りでは福助作りなどで、後者の水耕栽培が行われている。

【側蕾】[そくらい]

芯蕾以外の蕾のことで、芯蕾の周囲や側枝につける蕾のことを示す。また、芯蕾の周囲にできる蕾を側蕾、側枝にできる蕾を脇蕾という場合もある。

【た行】

【立ち弁】[たちべん]

花弁と花弁が重ならずでっばってしまう花弁のことで、花芯ちかくに多く見られる。

 

 

 

 

 

【胴切り】[どうぎり]

一般に胴切りは、葉の上で幹を切り落とすことですが、三本仕立てでは、花の高さを合わせるために、3芽の幹を切る処置のこと。

【な行】

【は行】

【花直し】[はななおし]

大菊の花の手入れのことで、厚物、厚走りの品種では、横に倒れた花弁の向きを上向きに直す、駄弁を抜く、立ち弁、花芯の修正や輪台の取り付けにより、花全体の花弁が鱗のように整列するように組み上げることをいいます。

写真左は花芯に布を置き立ち弁の修正中、写真右は輪台の調整中。

 

 

 

 

 

 

 


【広物】[ひろもの]

皇室の紋章モデルとなった大菊の品種で、一重咲きの一文字、八重咲きの美濃菊がある。

【ピンチ】

芽先を摘み取ること。

【ビーナイン】

成長抑制剤、ダミノジッド水溶剤、矮化剤(わいかざい)と呼ばれる農薬のこと。成長を抑制するための薬剤ですが、近年はよく伸びる品種の大菊が多く、伸びすぎで細くなりすぎてしまうため、成長を抑制し太くしたい場合に使用する。福助づくりやダルマづくりでは、つくりのため、背丈を抑えるために使います。

【腐葉土】[ふようど]

地表に落ち堆積した枯れ葉などの有機物が、ミミズ、微生物により発酵、分解され土状になったもの。腐植土(ふしょくど)ともいう。私の菊作りにおいて人工的に作る腐葉土はマテバシイの落ち葉を3cm程度にカットしたものを米糠やコーランと混ぜ合わせ19ケ月から20カ月間発酵分解させる。

 

 

 

 

 

【フラワーマット】

輪台より二回りほど大きい円形のフェルトマットで、輪台と大菊の花弁の間に入れ花弁が直接輪台に触れないように保護するフェルトマットのこと。大菊の輸送などで花弁が輪台に擦れて痛まないようにするために使います。

 

【ま行】

【馬刀葉椎】【全手葉椎】[マテバシイ]

ブナ科の常緑高木。私の大菊作りでは、マテバシイの落ち葉を使って菊栽培用の腐葉土を作っています。

 

【や行】

【柳芽】[やなぎめ]

菊の花が咲かない芽のこと。花芽分化の時期に気候などの変化により花芽生成の発育条件が悪くなるなどの要因で、8月下旬より柳芽が出てしまうことがある。ただし、シェード等の対策をするなど栽培の仕方により柳蕾を開花させることができる。

【柳蕾】[やなぎつぼみ]

柳芽にでる蕾のこと。

【ら行】

【輪台】[りんだい]

開花した大菊の花を支える用具。花受けという場合もある。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

【わ行】

【脇蕾】[わきつぼみ]

側蕾参照。